主イエスは生まれた

ルカによる福音書2章8~20節

澤田 武師

主題聖句 「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」 ルカによる福音書2章14節
 時のローマ皇帝アウグストゥスからの住民登録の勅令は、聖書で預言されていた「救い主はベツレヘムでお生まれになる」イエス様のご降誕へと、ヨセフとマリアを導きました。
 この夜、ヨセフとマリアは理不尽な現実の中に居ました。彼らに与えられたものは、人の住むところではない家畜小屋と、家畜用の道具、飼い葉桶だけでした。しかし、二人は神様の導きと信じ、乳飲み子イエス様を布でくるみ、ゆりかごの代わりの飼い葉桶に寝かせます。それは今ヨセフとマリアができる、神様の恵みへの精一杯の応答です。
 人はすべて裸で生まれてきます。今、お金持ちであっても、貧しい者であっても、皆同じです。人間の赤ちゃんは大変弱い存在です。乳飲み子は親の愛、子どもを育てる愛の中に居なければ、到底生き続けることはできないのです。私たちが今ここにいるのも、この子の命を守りたいという「愛に包まれて」いたから、生きてこられたのです。神様はヨセフとマリアの愛にイエス様を託され、イエス様の地上での歩みがここから始まりました。
 野宿をしていた羊飼いたちは、天使から救い主誕生の知らせを聞きます。彼らはただちに出発し、真夜中、すでに眠りについているベツレヘムの村中の家々を探し回り、「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」を探し出しました。そして喜びに満たされて、賛美しながら羊飼いの仕事に戻って行きました。彼らの心は、恐れから喜びへと変えられました。
 今日、救い主イエス・キリストが私のためにお生まれになったことを知った方々が、福音の祝福と喜びの中に新たに歩み始められますようにと祈ります。
 神様が人となって、飼い葉桶の中に生まれ、さらに十字架で死なれ、三日目に復活された。簡単には信じられない出来事でしょう。
 私たちを罪から救うために、神様がただ一度、備えてくださったのがクリスマス、イエス様のご降誕です。この地上に、私のところにイエス様はおいでくださった。全人類に与えられた救い「主イエスは生まれた」この喜ばしい知らせが、永遠に伝えられますように祈りましょう。
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