順風の時も、逆境の時も

創世記39章10~23節

澤田 武師

主題聖句 「ヨセフを捕らえて、王の囚人をつなぐ監獄に入れた。ヨセフはこうして、監獄にいた。」 創世記39章20節
ヨセフはエジプトのファラオの「侍従長ポティファル」の奴隷となっています。侍従長の屋敷には、ヨセフが頼りにできる人は誰一人としていませんでした。また、ヨセフが何者なのかを知っている人もいません。
しかし、聖書は、「主はヨセフと共におられた。」と、記しています。それは、ヨセフ物語全体を通して、順風の時も逆境の時も、ヨセフを支えるために繰り返し語られた言葉です。
侍従長は、ヨセフには物事を判断する才能、賜物があることを見抜きました。神様がヨセフを用いて、実務をうまく動かしていることを知りました。彼は神様の祝福を信じて、ヨセフに屋敷の管理の一切を任せます。ヨセフは「順風」の中に居ます。
しかし、ヨセフは「侍従長ポティファルの妻」から誘惑を受けます。ヨセフは神様の前で罪を犯すことがないようにと、一切の誘惑をはねのけますが、強引に引き止める妻の手に残ったヨセフの「着物」は、彼女が話す偽りの事実を証しする物となりました。侍従長は怒り、ヨセフから一切の権威を剥奪し、牢獄へと入れます。ヨセフは再び、人々の前から姿が見えなくなります。
神様はポティファルを用いてヨセフの命だけは守りました。神様の壮大なご計画を担う者として、今は「ヨセフはこうして、監獄にいた」。ヨセフの人生は「逆境」へと変わりましたが、そこにも神様の摂理が表されています。
神様がヨセフに与えられた牢獄という環境は、神様の御守りが逆境の中にこそあることを、私たちに教えています。
イエス様の十字架と復活、それは私たちの罪の贖いのためであり、永遠の命を与えてくださったということです。私たち信仰者は既に、常に福音を着ています。ヨセフ物語は、私たちの困難の中に、逆境と思える歩みの中にこそ、神様は共におられることを、私たちに思い出させてくれます。朽ちない、変わることのない、イエス様の福音を着て歩む一週間でありますように。
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