なんと幸いでしょう

ルカによる福音書1章39~45節

澤田 武師

主題聖句 「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」
        ルカによる福音書1章45節

 クリスマスの出来事は、特別な者でなく普通の人が、突然の神様からの知らせを信じて受け入れ、御心に従って主の御業を担う者へと変えられた事実です。聖書はそう記しています。それはなぜか。神様は天地創造の時から、御心に一緒に働く者として、人を用いようとされているからです。神様のご計画が無理難題のように思える者には「信仰の励まし」をも与えてくださいます。
 天使ガブリエルはマリアに、親類のエリサベトも不思議な体験をしていることを知らせました。マリアは急ぎエリサベトの元へ向かいます。神様はエリサベトとの出会いを備えてくださいました。マリアを励ますために、確信を持たせるために、エリサベトを用いられました。
 神様が創られ支配されるこの世で、時代が変わるしるしとして、この二人の女性が出会います。それは同時に、救い主と、主の道筋を整える者とが出会ったことを意味します。エリサベトのお腹の子、後の洗礼者ヨハネは、母の胎内からイエス様と出会った喜びを伝えます。エリサベトは、天使が知らせた我が子ヨハネの働きを今知りました。エリサベトは声高らかに「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」このエリザベトの言葉こそが、マリアへの信仰の励ましになりました。二人の出会いは、彼女たちが、救い主イエス様のお誕生を、確信をもって待ち望む者となったことを証ししています。恐らく彼女たちの身に起った事実は、誰に話しても信じてはもらえなかったでしょう。しかし神のお取り扱いを受けた者同士はそれと分かるのです。
 エリサベトの言葉は私たちへの励ましの言葉です。私たちも「幸いな者」なのです。先にイエス様を信じた者のアドベントの歩みは、クリスマスへの喜びの歩みです。私たちの罪の贖いのため、自ら十字架に掛かってくださったイエス様と出会った者、イエス様を信じた者の出会いは、互いに「なんと幸いでしょう」と、励まし合うことができるということなのです。
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