本当に必要なもの

ヨハネによる福音書6章22~33節

澤田直子師

主題聖句 『朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。』
 イエス様を追いかける群衆は、イエス様を自分たちの理想の王にしたいと願っています。ローマ帝国の支配を打ち砕き、ユダヤ人の王国を打ち立てるダビデ王の再来を夢見ているのです。ですから、イエス様がここで永遠の命について教えようとしても、聞き入れる耳はありません。昨日わずかな食物で5000人を養ったように、今日も、明日も、ただでパンが食べたいという極めて世的な欲の前に、イエス様が真理を説いてもかみあうことがありません。
 「永遠の命」とは何か、イエス様が『あなた(神)と、あなたがお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。』(ヨハネ17:3)と言っておられます。この「知る」は、知識としてではなく、関係性を持ち、保ち、体験的に継続的に知っているということです。
 では「永遠の命に至る食べ物」とは、何でしょうか。聖書にははっきりと答えが記されています。申命記8:3『人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きる』27節のイエス様のお言葉に3つの真理が表されます。1、永遠の命に至る食べ物、主の御言葉を求めなさい。2、イエス様が与える食べ物は神の御言葉である。3、それらは全て神の御心によって定められている。
 キリスト教では、信仰を持つ心のありようを「回心」心が回る、と言い表します。改心ではありません。わたしたちは自分で自分の心を改めることはできないのです。しかし、世を向いている心をぐるりと回し、神様の方を向くことはできます。人間の愚かさは、一番必要なものが何かを知らない、ということではなく、知っているのに求めることができないところにあります。申命記30:14『御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる』わたしたちの内にある永遠の命に思いを至らせ、朽ちない食べ物を求めましょう。
📢音声