約束の復活

マタイによる福音書28章1~10節

澤田 武師

主題聖句 「あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。
        さあ遺体の置いてあった場所を見なさい。」  6節

 自然界の中には一旦は死んだように見えても生き続ける、「再生力」の強い生物がいます。また、仮死状態から「蘇生」させる医療技術が進歩し続けていることを、私たちは知っています。しかしイエス様の復活は完全なる死からの復活でした。それは常識では受け止めることの出来ない事実として、女性たちに現わされました。
 イエス様が死から「復活」されたのは事実です。イエス様の復活を信じた時、それは神様のご計画が人類の歴史の中に、ただ一度与えてくださった出来事であることが分かります。
 マタイは「大きな地震、天使の降臨、墓が開けられた」と、イエス様が復活された朝の様子を記しています。「地震」は神様が起こされました。それはそこに居合わせた者たちだけに感じさせた、古い秩序が揺り動かされる、新しい時代が始まるという神様の証しです。天使は墓を塞いでいた石を転がします。墓が打ち破られた。死が打ち破られた。これらの出来事は、イエス様が復活されたことを証ししています。「復活」を目撃した兵士は「恐れ」に覆われ、「死人のようになった」と、記されています。屈強である兵士たちが、無力になってしまう。神様の前には、人の力は「無」となってしまう事実があります。
 女性たちもイエス様の死の前には無力でした。しかし天使は「恐れることはない。十字架につけられたイエスはここには居られない」。復活は「約束されたこと」であり、事実として「遺体の置いてあったところを見なさい」と女性たちにイエス様がここには居られないことを確認させます。そして、弟子たちに「先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる」と伝えることを托します。
 イエス様は女性たちに「おはよう」と挨拶をされました。この言葉の本来の意味は動詞の「喜ぶ」という言葉の命令形「カイレテ」です。イエス様は「喜べ」と女性たちに命じました。復活したわたしと出会った、その良き知らせを告げる者として新たな使命を与える。
 イエス様は十字架の死より、復活されました。復活は全ての恐れを喜びへと変えてくださいました。これこそが福音です。信じましょう。ここに良き知らせがあります。
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