救いが満ちた夜

使徒言行録16章26~40節

澤田武師

主題聖句 「二人は言った。『主イエスを信じなさい。そうすれば、家族も救われます。』」 16章31節
夜の大地震は囚人を解放しました。それは彼らにとって、奇跡そのものであることを示しています。しかし、誰一人牢から出ようとする者はいません。なぜでしょうか。そこにパウロたちが留まり、逃げ出そうとしなかったからです。囚人たちは、賛美、祈の言葉を聞いていました。その中に平安を感じ、神の真理を聞いたのではないでしょうか。彼らは自分たちが解放される、その本当の意味を、神の御心として知ろうとパウロたちと行動を共にします。神が彼らの足を留めます。これも奇跡です。
 看守は、囚人たちが既に逃げてしまったと思いこみ、絶望して自ら命を絶とうとします。パウロは「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」と声をかけます。彼はこの絶体絶命の時に、命の救いを得ました。そして彼も今神の業が現れ、それを彼らが示したと悟りました。「救われるためにはどうすべきでしょうか」問います。パウロは「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます」と応答します。
 救われるために、「主イエスを信じる」とは。自分自身の中に何があるのか、悔い改めが必要です。ローマの信徒への手紙には「口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです。」と記されています。それは「唯一の主」であることを信じることです。「主」と言う言葉をローマ皇帝以外に使えない時代、公に言い表すことは死につながりました。この信仰告白は重い言葉です。
 そして「復活を信じる」ことです。イエス様はわたしたちが経験する苦難を経験されるために、人となられました。唯一イエス様だけがわたしたちの罪の贖いのために十字架に掛かってくださいました。あらゆる方法をもって、その御手を伸ばしてくださり、共に居てくださるということを、感謝をもって信じることです。救いの勝利者としてのイエス様を信じることです。
「あなたの家族も救われます」救いの喜びは留まりません。この夜看守の家族は、救いの喜びに満たされました。救いの喜びは新しい主の家族を生み出します。