霊の実を求めよ

ガラテヤの信徒への手紙5章16~26節

澤田直子師

主題聖句 「これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。」 ガラテヤの信徒への手紙 5章22~23節
 ガラテヤ書5章の主題は、信仰者はキリストの愛により、十字架の贖いによって自由である、ということです。それは物事が自分の思い通りに運ぶ自由ではなく、どのような中にあっても希望を失わないことを選ぶ自由です。
 16節から、肉の導きと霊の導きとを対比させて、信仰者が目指す道を示します。ガラテヤの信徒は真面目に善い実を結ぶ方法を求めていました。そこに律法主義のユダヤ人が来ると、その教えを真に受けて福音から律法へと逆進してしまいます。ここでパウロが言う「肉の欲求に負けてはいけない」というのは、人間の知恵と力に頼ろうとする過ちを指していると思われます。
 19節から並べられる悪の数々は、人間が陥りやすい4種類の誘惑です。性的誘惑、偶像崇拝の誘惑、兄弟愛を壊す誘惑、不摂生。旧約聖書にも、これらの誘惑に負けた人々の話がたくさん記されています。人間の知恵と力でこれらの誘惑に打ち勝つことは大変に難しいのです。
 22節からの霊の結ぶ実は、9つ並列ではなく1対8です。最初の「霊の結ぶ実は愛」によって、後の8つの実が現れます。神は愛ですから、神の霊が内に住むことによって、わたしたちもまた愛の実を結ぶ者となり得ます。しかし神様の愛を自分という肉を通して表すことは難しいのです。そのために、十字架が掲げられています。「キリスト・イエスのものとなった人たちは、肉を欲情や欲望もろとも十字架につけてしまったのです。」罪の根が十字架で死んでしまった後に残るものは、神の愛と、わたしたちの弱く貧しい体です。
 第二コリント12:9「力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」この御言葉に依り頼んで、主にしっかりとつながりましょう。わたしたちは、内なる神の霊により、善い実を結ぶ意志と力を与えられています。神様は、わたしたちを通してどのような実を実らせてくださるでしょうか。主の導きに希望を持ち、霊の導きに従って前進していきましょう。
📢音声