2019年度

あなたは何者なのか

ヨハネによる福音書18章19~27節

澤田 武師

主題聖句『わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。』ヨハネによる福音書18章21節
 エルサレムには過越しの祭りを祝うために、世界中からユダヤ人が巡礼として訪れています。普段以上に華やかな雰囲気が、町を満たしています。その中でイエス様は逮捕されました。祭司長やファリサイ派、また、ローマ兵を派遣したピラトが心配していたような、面倒なことは起こりませんでした。彼らは、すべて上手くいった、そう喜んだのかもしれません。
 ヨハネは同時刻に大祭司の屋敷の中で行われていたアンナスの尋問と、屋敷の中庭でイエス様を否認するペトロの姿を、続けて記しています。それはあまりにも対照的な場面です。アンナスの尋問に対して、イエス様は「その人々がわたしの話したことを知っている。」と応答されました。何からも隠れることなく、語り続けて来られたイエス様の毅然としたお姿があります。
 一方「あの人の弟子だ」との問いに「違う」と答え続けたペトロは、自分の言葉によって自分を見失い、その結果、自分自身を否定し続けることになりました。ペトロの否認は全ての福音書が記しています。
 一つの疑問が生じます。アンナスの、イエス様への尋問の内容は、誰が伝えたのでしょうか。この疑問に、説教者のジョン・C・ライルは、かつてイエス様を逮捕するために派遣された下役たちではなかったかと推測しています。下役たちはそこにいて、彼らがイエス様の十字架を見届けた後に、この出来事をヨハネに伝えたのでは。それをヨハネが書き記したのではないかと。そのおかげで私たちも、立ち続けられるイエス様のお姿を見ることができるのです。
 今、私たちは経験をしたことの無い、脅威に満ちた世界に直面しています。私たちもイエス様のお話を「聞いて来た者」です。困難な時こそ、私たちはイエス様を「知っている者」であり「証詞する者」として歩みましょう。それがこの時代に私たちが生かされた証となります。神様は私たちに、次の世代に信仰を伝えることを託されています。イエス様は「わたしの言葉を伝えなさい」「わたしを証しなさい」と言われます。それはどこの誰でもなく「あなただ」と指名されているのです。
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