平和を与える
ハガイ書1章15b~2章9節
主題聖句 『「この場所にわたしは平和を与える」と万軍の主は言われる。』 ハガイ書2章9節b
前回、16年間止まっていた神殿再建が再開してから約1か月後、7月21日はユダヤの三大祭の一つ、仮庵祭の最終日だったようです。かつてソロモンの壮大な神殿での盛大な祝祭の記憶のある人には、過去の栄光と比べて素直に喜べない祭りであったかもしれません。
この時の神殿再建では、物資の補給がなかったので、元の神殿の石や木材を掘り起こして再利用しようとしたらしいのです。しかしソロモンの神殿が破壊され焼き払われてから60年経っていて、苦労して集めたものはほとんど役に立たなかったので、民の疲労は増すばかりでした。
そこに与えられる神様の言葉は、一見、神殿再建工事の遅れや貧しさを責めているようですが、全体を読むとそうではないことがわかります。「目に映るものは無に等しいものではないか」もともと人の手で作られたものは無に等しいのだ、いたずらに嘆くのではなく、現実をしっかり見なさい。これは1章で与えられた「歩む道に心を留めよ」この御言葉と同じです。その上で、主は4節にあるように「勇気を出せ」と言われるのです。
4節「働け、わたしはお前たちと共にいると、万軍の主は言われる。」過去の栄光を思い出しあれこれ嘆いているひまに、その手を動かしなさいということです。この言葉は、ヨハネの福音書21章で、主の復活の後でペトロたちが漁に出る朝を思い起こさせます。ペトロたち7名は夜通し漁をしますが1匹の魚も獲れませんでした。その夜明けに、イエス様が岸から声をかけ、その通りに舟の右側に網を打つと、引き上げられないほど魚が獲れます。ヨハネが「主だ」と気づくと、ペトロは上着を脱いで湖に飛び込み、泳いで岸に向かいます。その朝の岸辺で、主は朝ご飯を用意して待っていてくださいました。主と共に働く時、主は「平和を与える」と約束してくださいます。昔も今も変わらない神様の約束です。主と共に働き、主の平和を見い出し、握りしめて世に出て行くのが、信仰者の特権であり務めです。
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