世界に響く

コロサイの信徒への手紙1章21~23節

澤田 武師

主題聖句 「ただ、揺るぐことなく信仰に踏みとどまり、あなたがたが聞いた福音の希望から離れてはなりません。この福音は、世界中至るところの人々に宣べ伝えられており、わたしパウロは、それに仕える者とされました。」 コロサイの信徒への手紙1章23節
 コロサイの信徒への手紙は、囚われの身となったパウロが「獄中で記した手紙」であると言われています。彼は信仰によって自由を奪われ、牢獄に閉じ込められています。
 コロサイの教会にも迫害があり、教会内にも異端の教えが広がっていました。コロサイの兄姉は迫害と闘いつつ、異端の脅威の中にも閉じ込められているようなものです。コロサイ訪問を切に祈るパウロ、ひたすらパウロの言葉を待ち望んでいるコロサイの兄姉、彼らは今同じ思いの中にあります。
 獄中にありながらも、自由と信仰の確信を求めるパウロの姿が、彼の言葉から聞こえてきます。パウロの言葉は、コロサイの兄姉の過去、現在、そして未来をも見つめて、彼らに信仰者として生きる励ましを与えています。
 以前は神から離れ…神と敵対していました。律法の行いを守ることができない者には、神様は遠い存在であった。かつてあなた方も神様から離れていた。
 しかし今や…、イエス様の十字架の贖いと救いを信じる者として、あなた方は、聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者と変えられた。決して自分では変えることはできない。イエス様の十字架が全てを変えられた。
 ただ揺るぐことなく信仰に踏みとどまり…と、これは未来への導きの言葉です。未来は今日の続きにあります。
 パウロの時代、世界の中心は地中海沿岸の地域でしたが、パウロは「世界中至ところの人々に宣べ伝えらえており」と、地理的にも時間的にも制約のない、永遠という世界を見ています。その未来は、私たちの現実にとなっています。私たちもこの世界の中に生かされているのです。
 そして、全ての時代にパウロの言葉は響きます。「わたしパウロは、それに仕える者とされました。」ここには、パウロの使命が記されています。私たちの言葉も、隣人、まだ見ぬ誰かに福音の言葉として響きますようにと祈ります。
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