新生の恵み

ヨハネによる福音書3章1~8節

澤田 武師

主題聖句 「イエスは答えて言われた。『はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。』」 ヨハネによる福音書3章3節
 イエス様が教えられた“福音”は一つですが、ホーリネス信仰ではその豊かな恵みを「四重の福音」、「新生」「聖化」「神癒」「再臨」と表してきました。「新生」の恵みとは、神様と私たちの関係をはっきりと知る喜びです。
 「ある夜」ニコデモはイエス様に近づきます。いくら律法を厳守しても彼には救われた確信がありませんでした。そのため彼の心はいつも闇に覆われています。心の闇からの解放を求めて、「あなたは神のもとから来られ、神が共におられる方」、と信じるイエス様の元へと向かいました。イエス様はニコデモとの新たな関係を結ぶために、彼に話しかけられます。
 “人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない”。ヨハネによる福音書では“神の国”は「永遠の命」と同じ意味を表します。イエス様は“新たに生まれる”こと無しでは神の国を見る喜びを得る者になることはできないと宣言されます。ニコデモは問い返します。“年をとった者が、どうして生まれることができましょう。”彼が生きてきた常識の中では、イエス様のお言葉は理解できませんでした。永遠の命を得ることを望んで訪れたニコデモは、その確信を持てないまま元の場所へ戻って行きます。
 しかし「ある夜」の出来事は、この後の彼の生き方に大きな影響を与えました。ヨハネの福音書にはイエス様のご遺体をヨセフと共に埋葬するニコデモの姿が記されます。(19:39~40)それは、再びイエス様の元に戻った彼の姿です。
 イエス様の十字架の死は、ニコデモを新たに生まれさせてくださいました。彼は、復活の命を得、永遠の命を知った者と変えられたのです。
 私たちは、何人であってもその罪を悔い改め、イエス・キリストを信じることによって即座に救われること、罪を赦され、義とされ、新しく生まれ変わり、神の子とされることを信じます。イエス様を通して、神様が私のすべてを受け入れてくださった。神様は私と関わってくださっている。この確信を得るのが「新生」の恵みであり喜びであります。
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