主が輝き出で
ルカによる福音書2章1~7節
主題聖句 『ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。』
2章6~7節
皇帝の勅令は「権力者にとっての、力の誇示と富を蓄えるための命令」であり、聞く者には「拒むことが出来ない」現実となりました。マリアは御心によって、お腹に子どもが与えられた。しかし、そんな事は誰も信じられません。若い夫婦にとって、ナザレは安住の地、平安の村ではありませんでした。マリアを残して行けば、世間の目、人の声、態度からマリアを守ることができない。また、一緒に行くならばこれも、身重のマリアには大変な負担となるでしょう。ヨセフはマリアを連れてベツレヘムに行く、苦渋の決断をします。
旧約聖書のミカ書にクリスマスが預言されています。「ベツレヘムにて救い主が誕生する。」その預言は成就しました。「住民登録」のための二人の旅は、ヨセフの苦渋の決断が、すでに神様の選びの計画に組み入れられていた証詞となりました。
しかし事態はさらに悪化します。ベツレヘムでは彼らの泊まる場所は提供されませんでした。それは人々の善意から漏れたという事になります。しいて言えば、拒否されたことに他なりません。ここにも人の世の暗闇が見えます。彼らは人の世の暗闇に再び包まれました。7節「宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」
遠い昔から今日に至るまで、世界中で祝われているクリスマスは、全て、この夜に帰ります。「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。」 ここにイエス様はおられます。教会が伝えるクリスマスの喜びは、人の住まない所、暗やみの中、誰からも顧みられない所で始まりました。イエス様はお生まれになりました。それは神様が人となられたということです。十字架の死によって、すべての者の罪を贖ってくださる救い主イエス様のお誕生の夜は、私たちに生きる場所が与えられた時です。教会は変わることなくこの「良い知らせ」を伝え続けます。そこに、イエス様が居られることを伝えます。世界中の全ての人が、ここに帰る場所を見つけることができます。
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