あなたは何者だ
使徒言行録21章27~36節
主題聖句 『千人隊長は近寄ってパウロを捕らえ、二本の鎖で縛るように命じた。
そして、パウロが何者であるのか、また、何をしたのかと尋ねた。』 33節
パウロ人生最大の危機、「捕らわれた者」として生きる。それは「聖霊」に示された「投獄と苦難」の時ではないでしょうか。
そのきっかけは、アジア州から来たユダヤ人の叫び。叫びは神殿の中だけに留まらず、群衆を扇動して、エルサレム中を混乱状態へと変えてゆきます。
「聖霊」はパウロの伝道者としての道を「閉ざし」たのか。命をも危機に落としたのか。この先の導きはあるのか。この危機的状況の中でも「聖霊」は導きを与えています。聖書記者は事実の中に「聖霊」の働きを示しています。2つのキーワードで見てゆきましょう。
「神殿の門が閉ざされた。」神殿の門は、神殿守衛長の命令で閉めることが出来ます。ですからこの騒動は、ユダヤの権威で行ったということです。パウロがユダヤの社会から、完全に締め出された存在となったことを示しています。しかしそれは、ユダヤ人伝道から、異邦人伝道への新たな道が「開かれた」ことをも意味しているのではないでしょうか。
この騒動に千人隊長は直ちに駆けつけ、パウロをユダヤ人から解放します。そして「二本の鎖で縛るように命じます」。唯一事実を求めたのは、この千人隊長です。彼との「出会い」はこの後のパウロの歩みに、重大な影響を与えます。「聖霊」は、千人隊長を通してパウロの命を救い、ローマに護送するすべてを命じさせます。それは、ローマへの伝道の道を実現することに繋がってゆきます。この後、パウロは皇帝の裁きを求め、実際にローマへと向かいます。結果、閉ざされたと思っていた、伝道の道が開かれます。
聖書はこの千人隊長が「何者」なのかを記しています。もし「あなたは何者だ」と神様から問われたら。困難、苦難、試練とは、「聖霊」の働きが見えなくなる時ではないでしょうか。しかし、「聖霊」はいつでも進むべき道を示していてくだる。その時わたしたちは、主を信じる者、従う者として、その名が神の国にしっかりと記されています。救われた者として歩んで行きましょう。