大切なことは
使徒言行録15章22~35節
先週は教会における最初で重要な会議であるエルサレム会議について共に学ばせて頂きました。結論は律法の行いではなくイエス・キリストの恵みを心から信じることによって救われることが確認されました。本日はその時の議長であったヤコブの言葉に耳を傾けたいと思います。
「聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。」(28節)大切な会議の決定は人の思いを遥かに超えた聖霊の導きに従ったものでした。教会において信仰の事柄を決めていくにあたって、ヤコブは何よりも自分たちの考えや思いを主張するのではなく、聖霊の導きと神御自身による伝道のご計画を祈りをもって探し求めました。
教会は聖霊降臨によって生まれ、そして聖霊に満たされることで心が通じ合う世界が開かれたことが2章に記されています。神の祝福の原動力、そして教会の力は、私たちの内に聖霊が宿り支配することです。ヤコブはこのことを再度確信しならが大切な会議の結論を見出したと思われます。
このことはエルサレム会議だけではなく、私たちの教会総会、並びに様々な決断をする時にも引き継がれています。十分な議論を重ね、様々な予算を立てて計画をすることも必要ですが、キリスト者は何よりも先ず聖霊の導きを共に祈り、神のご計画を確信して進むことが最優先です。
教会は様々な選択をしなければならない出来事が多くありますが、導いてくださる聖霊のご臨在を信じ、その導きをその都度主を仰ぎみつつ決定していきます。常に「聖霊と私たち」の決断を求めていくことを主は望んでおられます。
そうしてヤコブは異邦人クリスチャンと、とりわけ律法的な土台として持ちつつ信仰生活をしているユダヤ人キリスト者が交わるための際の互いに対する配慮を述べました。キリスト者は色々な決まり事に制約されず、全く自由であるというものですが、同時に異邦人キリスト者は、他の行動基準を持ったユダヤ人キリスト者に対する配慮を持つことが求められるということです。
いつでも大切なことは相手が置かれている状況に対しての配慮を忘れてはなりません。様々な問題を対処するにあたり、「神の恵みによる救いの喜び」を忘れ去り、問題解決のために愚かな議論をし、果ては裁き合う悲しい思いをすることがあります。恵みを忘れない者でありたいです。