永遠の命に入る

フィリピの信徒への手紙2章12~18節

澤田直子師

主題聖句 『目覚めた人々は大空の光のように輝き 多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く。』 ダニエル書12章3節
 ダニエル書の前半は、ユダヤ人がバビロン捕囚として連れ去られた際に、ダニエルと3人の少年がその才能を見い出され、王宮に仕えるために教育を受けるところから始まります。教会学校でのお話や、子ども向けの聖書のお話に取り上げられ、燃えさかる炉に投げ込まれた3人の少年たちや、ライオンの洞窟に投げ込まれたダニエルの話などがよく知られています。
 ダニエルは長じて王宮の知恵者として用いられ、4人の王に仕えました。ダニエル書の後半は、王宮の高官として世の仕事を誠実にこなしながらも、唯一の真の神を礼拝するダニエルに、天使ミカエルが遣わされて、世の終わりの時についての幻を見せ、その意味を教えます。ダニエルは預言者として幻を見せられますが、その意味を完全には理解できません。それでも、神の命じるままに書き記します。預言者の使命とはそういうものです。
 イエス様は、福音書の中で、何度も弟子たちに「わたしはもう一度世に来る」と教えられました。イエス様が来られるのを待ち望むのが「再臨」の信仰です。しかしイエス様ご自身が、それがいつかは知らない、天の父しか知らない、と言っておられます。ダニエルが見せられた幻のごとくに、信仰者は、いつとも知れずどんなことが起こるかもわからない再臨を、ただ主を信じて待ち続けてきたのです。
 四重の福音のうち「新生」「聖化」「神癒」については、神様から与えられるものとはいえ、いただいたわたしたちの方でもそれなりに参与する部分があります。言葉や行いに変化が表れたり、考え方が変わったりするでしょう。もっと分かりやすく顔つきが変わる方もいるそうです。しかし「再臨」は、最初から最後まで神様の御業です。わたしたちができることは、信じて待つことだけなのですが、残念ながら人間は信じて落ち着いて待つことが苦手な生き物です。苦手であろうと、ここだけは、落ち着いて希望を持って、喜んで待ちたいと願います。大空の光のように輝きつつ!
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