星のように輝く
フィリピの信徒への手紙2章12~18節
主題聖句 「あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。」 フィリピの信徒への手紙2章13節
「聖化」とは、その字のごとく信仰者が神の似姿に変えられてゆくことを言います。聖書のいろいろなところに、神に倣う者になりなさいとの勧めが書かれています。創世記では神が「ご自分に似せて」人間を造られた、とあります。最初がそうなのですから、信仰者は成熟するにつれて、子どもが親に似てくるように、神の似姿になるはずなのです。
と言われて、わたしたちは「そうですね」と受け入れられるものでしょうか。しかし聖書には、神は信仰者の望みを御心に沿わせることができるし、実行する力をも与えてくださる、とあります。この御言葉はわたしたちの励みとなります。14節では、神に従うと決めたのなら、文句を言わず先延ばしせず、神を愛し隣人を愛しなさい、と勧めます。
福音は、清い者となるための厳しい修行や、生活や環境を限定することを求めません。自力で清くなろうとすると、自分を高く上げようとする誘惑があるからです。信仰者が清くなろうとする時、神に問い、神に従うより他の方法はないのです。「聖化」はその本質から変化し、神の似姿に向かって進んで行く者に変えられることを示しています。
信仰者が神の恵みを受け、従順に使命を受ける時「世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかりと保つでしょう」とあります。信仰者は星のように輝く姿を目指すのです。この手紙を書いたパウロは、正確な地図も持たず、ろくに道もないようなところを旅しました。この時代には、夜になって星が出れば方角を知ることができました。星が何かを明るく照らすわけではありませんが、星が出る場所や時間によって季節や方角を知り、地上でも海上でも正しい方向へ進むことができました。
信仰者が、自分の後に続く誰かのために、その場にあってガイドとなる、指さす方向を決して間違えない、この姿は誰もが到達できる「聖化」の形のひとつでしょう。弱さの中でも試練の中でも「聖化」を求めていきましょう。
📢音声