フィリピの信徒への手紙４章１０～２０節

主題聖句 「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。」　フィリピの信徒への手紙４章１３節
１０節を読むと、どうも、フィリピの教会からパウロへの援助が滞っていた時期があったようです。献金が途絶えたのはおそらく流通の問題だったでしょう。フィリピからローマの獄中までは遠く、様々な条件が整わなければたどり着けなかったと思います。しかしフィリピの人々は、届ける手段がない時でも献金は続けていたのでしょう。
　この箇所には２つの主題があります。一つは、献げることは人を励ますだけでなく献げる者をも豊かにする、ということ。もう一つは、真の信仰者には不足はないのだということです。多くの方はアーメンだと思われるでしょう。しかし人間の知恵は自分に甘く働きます。聖書は収入の１０分の１を献げなさいと教えています。でも献げない理由はいくらでも出てきます。
　わたし自身、信仰を持つまでは祈るよりも感謝するよりも計算が先だったし、いつも不足を気にしていたように思います。献げることが、生活を守りたい思いとの戦いのような時がありました。
　しかし献げられたものは嬉しいけれども、あてにはしていないとパウロは言います。自分は何も不足していない、何でもあるし何でもできるから大丈夫だと言うのです。この時のパウロはローマの獄中で殉教の死が目の前にありました。それでも不足がないと言い切れるのは、強めてくださる方が共におられるからです。
　強めてくださる方の御業は、内なるキリストを知ることにつながります。内なるキリストに出会うためには、完全に自分を明け渡す必要があります。完全なる明け渡しのために試練が与えられることもあるのです。
　パウロを強めてくださる方は、フィリピの信徒も、小松川教会の信徒も強めてくださいます。わたしたちもいかなる場合にも対処する秘訣を授かって
豊かにされ、献げる喜びに満たされましょう。
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