神からの命と幸福

詩編41編

澤田直子師

主題聖句 「主よ、その人が病の床にあるとき、支え 力を失って伏すとき、立ち直らせてください。」 詩編41編4節
 四重の福音の3つ目「神癒」です。文字通り神様が癒してくださる恵みですが、これは肉体の病の癒しや痛み苦しみが取り去られることだけを言うのではないと思います。また、神様が癒してくださることだけにより頼んで、人間の知恵である医療を受けないということでもありません。
 ここに出て来る人について、何か重い病を患い、それだけでもつらいのに周りの人々が手のひらを反すようにひどい言葉を投げつける、冷たい扱いをする、そんな様子が思い浮かびます。ユダヤ人社会では、重い病や伝染性の病にかかると、何か悪いことをして神の裁きを受けていると考えられることがありました。病気になったその上に、友人・仲間と思っていた人々から責められ叱られるのではたまらないでしょう。
 けれども作者は、「なぜわたしがこんな目に」と嘆くことはしません。病や冷たい仕打ちに悩まされながらも、神様の憐れみと慈しみが与えられる、ならばそれを隣人と分かち合いたいと願うのです。そういう自分の姿を神様が見ていてくださる、喜んでくださる、それは何と幸いな事だろう、と祈るのです。そうして、神の憐れみによって起き上がらせていただければ、自分は神の御旨に適うのだと知る事ができると信じます。「そしてわたしは知るでしょう わたしはあなたの御旨に適うのだと」神様の愛と憐みを得た自分を喜びたいと願います。
 信仰者が「神癒」を祈り求める時、それは自分か他の誰かのことかに関わらず、すでに癒された姿を見ています。単に体の病が治ることではなく、神様との結びつきがいっそう強くなったことを喜ぶ姿です。弱さの中に在る時これほどの希望が他にあるでしょうか。
 イエス様は「求めなさい、そうすれば与えられる」と教えてくださいました。神様がくださる命と幸福を求め、喜びと感謝の歩みを続けましょう。
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