今日この日から

ハガイ書2章10~19節

澤田直子師

主題聖句 『しかし、今日この日から、わたしは祝福を与える。』 ハガイ書2章19c節
 ハガイ書には日付が書かれていますので、4か月に満たない短い期間の預言であることがわかります。この短い期間だけのために、ハガイは召命を受けて神様の言葉を取り次いだのです。
 9月24日という日は、神殿再建に着手してから3か月、何か建築上の節目の日だったと思われます。同時に、農作業においては、収穫が終わって次の種を蒔く準備をする頃だったようです。
 11節には、清めと汚れについて、祭司に「尋ねなさい」とありますが、これはユダヤ人なら誰でも当たり前に知っていることです。答えが分かり切っている問をわざわざ投げるのは、我に返らせるためとか、真意を探らせるためと考えてよいと思います。12節には「衣の裾に入れて」とありますが、衣の裾で覆うという行為には、象徴的に、保護するとか自分のものとして責任を持つなどの意味が含まれます。ここでは神様がわたしたちをご自分のものと考えて保護してくださる様子を表しているのでしょう。
 簡単に言えば、清められたものに触ったからといって、清めが移ってくることはありません。反対に汚れに触れたら汚れは人から人へと移ると考えられていました。
 神様にとってのユダヤ人は、今、この汚れを持ったままではないのか、と問われているのです。エレミヤ書やエゼキエル書では、神様はイスラエルを「反逆の家」と呼んでいます。それなのに、神の選びの民であることに固執して、自分たちを何か特別なものであるかのように考えてきた。神様は、自らの道に心を留め、神様の方を向くために、自分の手を動かして神殿の石を積むことを求められます。その行為に対して「今日この日から祝福を与える」と約束されます。わたしたちの神殿は、目に見える建物ではなく見えない内なる神殿です。主の御言葉を行う者となって内なる神殿の石を積み、今日この日から主の祝福を積み上げる者となりましょう。
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