御声に耳を傾けて

ハガイ書1章12~15a節

澤田直子師

主題聖句 『主の使者ハガイは、主の派遣に従い、民に告げて言った。「わたしはあなたたちと共にいる、と主は言われる。」』 ハガイ書1章13節
 12節に3人の重要な人物が登場します。この3人によって、神様の「時」が示されます。ゼルバベルはダビデ王家の末裔、ヨシュアはレビ族の名家の生まれです。ここにハガイが加わって、王・祭司・預言者という、油注がれた3人が揃いました。メシア(救い主)とはもとは油を注がれるという意味です。これはユダヤの民にとっては、神様の時が満ちたという大きな期待と共に、畏れの時でもあったと思います。
 旧約聖書には「残りの者」という言葉が出てきます。異教の神を拝み、人間の力を頼る愚かな民の中になお、まことの神を信じる者が残される、ということです。現在の教会でも、様々な問題が起こり、つまずいて信仰から、教会から離れる人がいる一方で、苦しみながらも留まることを選ぶ「残りの者」がいます。いつの時代にも「残りの者」がいるのです。
 「残りの者」にふさわしく、彼らはハガイの預言に耳を傾け、神の時を知り、「主を畏れ敬った」ハガイの言葉は、神の御声として恐ろしいながらも励ましと慰めに満ちたものでした。「あなたたちと共にいる」という御言葉に確信を持った時、彼らはそれまでとは全く違う者に変えられます。
 14節「すべての霊を奮い立たせられた」彼らは立ち上がって出て行き、主の神殿の再建に取り掛かります。16年間止まっていた神殿再建は、ハガイに神の言葉が与えられてからわずか3週間で再開されました。
 神様は、昔も今も変わらないお方ですから、現代でも、わたしたちが神の御声に耳を傾けるなら、同じようなことが起こるでしょう。目に見える神殿と、目に見えない心の内の神殿では建て方が違う、ということはありません。全ては、わたしたちが神様の声に耳を傾け、「あなたたちと共にいる」という言葉に確信を持つところから始まるのです。現代はあまりに雑音が多すぎて、神様の御声を求めることは難しいのですが、イエス様は「求めなさい。そうすれば与えられる。」と教えてくださいました。御声に耳を傾けましょう。
    
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