キリストに結ばれて

コロサイの信徒への手紙2章6~12節

澤田 武師

主題聖句 『あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。』 コロサイの信徒への手紙2章6節
 「あなたがたの心の中心にはイエス様が居られる」(2章3節)今、パウロがコロサイの兄弟姉妹に一番伝えたいことです。イエス・キリストへの信仰、十字架の罪の贖いと救いを知っている、それだけで十分だとパウロは記します。
 イエス様を信じ、受け入れていたコロサイの教会にも、異端が入り込みました。異端の教えは声高に叫びます。イエス様の十字架の贖いと救いを信じるだけでは救いは得られない。人間の知恵と伝統である律法を第一に守らなければ。コロサイの信徒を不安に陥れ変えてしまう、大変な問題となっています。
 パウロは信仰生活の秘訣を、植物の成長に例えて教えます。「キリストに根を下ろして造りあげられたことは感謝である。」植物が根から栄養と水を吸い上げ、地中に張った根で体を支えるように、イエス様を信じること以外に、信仰の成長はない。信仰生活も強められない。あなたがたは、イエス様に植えられた者たちであることを忘れてはならない。そしてそれは「イエス様の為に生きることで、満たされる。」
 ヨハネによる福音書にはイエス様とサマリアの女性の出会いの記事が記されています。イエス様はこの女性に命の水を与える約束をされました。命の水は女性の心の奥底を潤し、新しい命となって、彼女が求めていた平安を与えました。彼女は生涯イエス様を信じ、歩む者と生まれ変わって満たされたのです。
 「あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。」コロサイの信徒への手紙に込められた、パウロの励ましの言葉です。「結ばれて」という言葉をリビングバイブルでは「日常の問題についてもイエス様に信頼し、イエス様と共に生き生きと生活しなさい」と訳しています。私たちが担うすべての問題を、イエス様が共に担ってくださる。心が軽くなるお言葉です。イエス様は確かに居られます。そして共に問題を担ってくださいます。キリストに結ばれて歩みましょう。この確信こそが信仰者の力です。さあ、イエス様と共に生き生きと生活してまいりましょう。
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