福音という真理の言葉

コロサイの信徒への手紙1章1~8節

澤田 武師

主題聖句 『それは、あなたがたのために天に蓄えられている希望に基づくものであり、あなたがたは既にこの希望を、福音という真理の言葉を通して聞きました。』 コロサイの信徒への手紙1章5節
 使徒言行録の中には、パウロがコロサイ伝道に関わったり訪問したりした記録はありません。この町にキリスト教が伝えられたのは、おそらくパウロのエフェソ伝道の期間中で、エフェソで回心したエパフラスが、伝道者としてコロサイに福音を伝えたようです。小さな町に小さな信仰の種が蒔かれました。
 しかし小さな教会にも異端は入り込みました。この手紙は、教会内の異端に対抗して、真の信仰に生きることを祈り励ますパウロの手紙です。
 パウロは、キリストの器として用いられている「使徒パウロ」からと名乗って「コロサイにいる聖なる者たち、キリストに結ばれている忠実な兄弟たち」に宛てた手紙を記します。信仰と希望と愛に生きる信仰者への手紙です。
 『それは、あなたがたのために天に蓄えられている希望に基づくものであり、あなたがたは既にこの希望を、福音という真理の言葉を通して聞きました。』
 かつては大都市として栄えたコロサイ。今は小さな町です。見た目の小ささ、人が少ないことは、信仰にも影響します。弱さによって信仰が鈍ります。しかしパウロは、天を見なさい、そこに希望が備えられている。地上を見なさい、福音の言葉が満ちていると励まします。
 エパフラスはパウロに会いに行ったようです。パウロはエパフラスから、コロサイの信徒が十字架の贖いと救いを信じ、共に兄弟姉妹の交わりの中に生きていることを知らされます。パウロが伝え、エパフラスが教えた信仰が守られている。エパフラスの言葉は獄中のパウロに喜びを与えました。エパフラスは、昔のコロサイにだけ居た人ではありません。彼のような働きをしてきた人々を私たちは思い出します。あなたに信仰の話をしてくださったのはどなたですか。あなたのエパフラスはどなたですか。
 私たちも天にある希望を見、地に響く福音を聞きましょう。私まで届いた福音を私からも次の人に、そして世界に広がる福音となるように、伝える者としての働きが与えられ全うできますようにと、求め祈りましょう。
📢音声