私はここに住む
詩編4編
主題聖句 『平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。主よ、あなただけが、確かにわたしをここに住まわせてくださるのです。』 詩編4編9節
詩編4編は、「個人の嘆きの歌」に分類される型の詩編の一つです。嘆きの詩編は、敵対する人々によって苦しめられている自分を嘆き、神様へ訴え出て慰めを得ようとする言葉が詩となっています。
もしここで神様の報復を作者が願っても、神様は願いを叶えてくださるかもしれません。しかし作者の思いはそうではありません。神様はこれまで幾度も苦難から解放してくださり、作者の義を認めてくださった。そこに依り頼んで作者は祈ります。「いつまでわたしの名誉を辱めにさらすのか」、作者は神様を信じること、その信仰に生きることこそ、私の名誉であると強く訴えます。
詩編4編には、現実に立ち向かう作者の強さ、現実を変えようとする意志の力が見えます。それは、深い信仰と敬虔に生きる者の姿として見えます。
「神様を否定する人、神様の恵みを知らない人々が居る」そして、「この世の豊かさ、麦と葡萄の取りいれを喜ぶ人々が居る」と作者は記しています。作者は彼等の生き方を「むなしさを愛し、偽りを求める者」と呼びます。
誰もが共に生きることを願い、全ての者が神様を信じ、神様の恵みを得ることを祈るなら、神様は必ず応答してくださることを知れ、と迫ります。また、作者は神様に捧げるのにふさわしいのは、聖別されたあなた自身であることを信じて、神様に依り頼めとも迫ります。
「平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。主よ、あなただけが、確かに、わたしをここに住まわせてくださるのです。」「…右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」(マタイ5:39)意志によって左の頬を出す。このお言葉は神様への信頼と祈りによって平安を得る作者の姿と重なります。作者は逃げません。心にある不安も恐怖も今は癒されています。ここに住む、ここに神様が住まわせてくださる。状況はまだまだ変わらず、生きづらい世界の中に在ろうとも、そこに作者は神様の平安を見出して安眠を得ます。
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