平和を語る
詩編120編
主題聖句 「平和こそ、わたしは語るのに 彼らはただ、戦いを語る。」 詩編120編7節
詩編120編1節には「都に上る歌」と記されています。続く134編までの詩編も「都に上る歌」と記されています。これらの15編の詩編はユダヤの大祭の時、エルサレムを目指して上って行く巡礼者が歌ったものとして、まとめて記されたものと思われます。
作者は、「苦難の中から主を呼ぶと主はわたしに答えてくださった。」と告白します。作者が経験した苦難がどのような状況であったのかは分かりませんが、「主はわたしに答えてくださった。」その時神様が共に居られて、作者の祈りに答えてくださった。神様は作者に御心を示しておられました。
6節、作者は今「平和を憎む者と共に」住んでいるようです。心が神様から隔てられている者たち、偽りの言葉、欺きの言葉を語る者たちと、久しく共に住まなければならない現実を作者は嘆きます。神様からの乖離は不幸であると嘆きます。ここには作者の求める神様の平和はありません。
しかし、この状況の中でも作者は再び神様を呼び求めます。2節「主よ、わたしの魂を助け出してください。」作者は神様への祈りの言葉は忘れません。平和は神様のもとにこそあります。
作者は、神様の平和を語ります。例え神様から遠くはなれていても、作者の声をかき消すような、戦いを語る者たちに囲まれていても作者は語ります。
イエス様が「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」と山上の説教で語られた時も、ローマの力は支配地域を偽りと欺きの言葉となって覆っていました。そこにイエス様は遣わされ、十字架の贖いと永遠の命を信じることから与えられる、神様の平和を示されました。
私たちの日々の祈りは、この現実が変えられ、すべての者たちが平和に生きる世界を求めていきます。私たちは既に平和を祈る者とされています。平和を語る者として生かされたいものです。世に神様の平和を伝えて行く使命に生きましょう。マザーテレサは「平和は微笑から始まる。」との言葉を残しました。愛する人々と共に、神様の愛を語りましょう。
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