高いところからの力
ルカによる福音書24章36~49節
主題聖句 『わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。』 ルカによる福音書24章49節
イースターの日の夜遅くの出来事です。この時イエス様は弟子たちに「あなたがたに平和があるように」と言われます。しかし弟子たちは、亡霊と思って恐れます。彼らはその時まさに、イエス様は本当に復活されたと話し合っていたのに。エマオの話でもそうですが、わたしたちは自分の知識常識に囚われて、事実を受け入れられない愚かさを持っています。
イエス様は、弟子たちの愚かさにあきれもせず、叱りもせず、手足を見せ、触らせ、魚を食べて見せます。何と忍耐強い、憐み深いお方であることかと思います。イエス様は、人間の知恵の浅いこと、信仰の薄いことをよくよく知っておられました。
しかしこの後は、その人間に福音宣教を委ねて、御自分は天に帰り、神の右の座に着くことが定められています。いつまでも一緒にいることはできないのです。それで、福音を理解する助けとして「モーセの律法と預言者の書と詩編」と旧約聖書を示されます。ここに神の救いが証しされていることを教えてくださいます。
イエス様は公生涯を始められる時「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」と言われました。福音とは名詞ではなく行動です。47節の「罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる」というのが、福音の意味するところです。ここには一切の差別がありません。
イエス様は「父が約束されたものをあなたがたに送る」と言われました。弟子たちは時が満ちるのを待たなければなりません。わたしたちが知っているように、ペンテコステの日に聖霊が降り、弟子たちは主の十字架と復活を自分のものとして理解し、事実の証人となりました。その時、福音は全ての人に届く言葉となりました。わたしたちも、高い所からの力を求め、主の復活の喜びを自分の事として語る者となりましょう。
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