祈ってください

ヘブライ人への手紙13章17~19節

澤田直子師

主題聖句 「わたしたちのために祈ってください。わたしたちは、明らかな良心を持っていると確信しており、すべてのことにおいて、立派にふるまいたいと思っています。」  ヘブライ人への手紙13章18節
 13章の主題は「神に喜ばれる奉仕」です。具体的な善い行いも勧められますが、その中心は、大祭司イエス・キリストを見上げ、従うことです。その続きとして、指導者に従うことが勧められます。ここでいう指導者とは、牧師や神父のような教役者の他に、長老・役員・執事などの、教会の世話役であり時には代表者ともなる信仰者を指していると思います。
 聖書は、指導者を「神に申し述べる者」と呼びます。わたしたちと神様を仲介するのはイエス・キリストただお一人ですが、牧師や役員も時にその一端を担うことが求められるのです。もちろん完全な仲介者になれるはずもありませんが、祈り手として遣わされ、神に申し述べる使命があるのです。ここで「申し述べる」というのは、いわゆる執り成しの祈りと考えてよいでしょう。これは少し怖いことです。わたしが誰かのために祈る時、その誰かのことをどれだけわかっているでしょうか。
 人間の常として、自分の秤で人を測ってしまうことがあります。その人の魂に心を配るつもりで、いつの間にか自分の都合よく事が運ぶように祈っていないだろうか。実は、自分の心配や不安が第一になっていないか。神に申し述べることがちゃんとわかっているか、不安になります。
 この責任の重さに「祈ってください」と頼むのです。神様が真ん中におられ、神様を間にして関係性を作るのが信仰者のありようです。わたしたちは自分の力で明らかな良心を持つことも、すべてのことに立派にふるまうこともできません。神様の光に照らされての明らかな良心であり、神の御前にへりくだることが立派なふるまいです。これらのことを、神様の御用のために行いたい思いがあるので、「祈ってください」と頼むのです。
 牧師が取り組むみ言葉は真理です。簡単に取り扱うことはできません。祈りをお願いすることができる祈りの友が与えられていることに感謝します。
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