恐れなく近づこう

ヘブライ人への手紙12章14~24節

澤田 武師

主題聖句 『すべての人との平和を、また聖なる生活を追い求めなさい。聖なる生活を抜きにして、だれも主を見ることはできません』 ヘブライ人への手紙12章14節
 ローマの支配下では様々な神々が作り出されました。その上、人間である皇帝を、唯一の“主”、神と告白させられました。この手紙はキリスト教迫害から逃れるために、信仰から離れようとしている人たちを、再び信仰者として歩み続けられるよう、励ましを与えた手紙と言われています。手紙の著者は、彼らの苦しみを知っています。そして、共に生きたいと願っています。
 14節「すべての人との平和を、また聖なる生活を追い求めなさい。聖なる生活を抜きにして、だれも主を見ることはできません。」周りに迎合すれば、皇帝を主と告白すれば、迫害を受けることはありません。しかし、それは偽りであり、表面上の平安でしかないことを信仰者は知っています。
 今世界情勢は、神様からの祝福「すべての人との平和」「聖なる生活を求めること」を、別のものと取り換えようとしています。それは人類が作り出した偶像的なもの、人と人の関係をむしろ壊してしまう権威や地位や正義や勝利です。凄い勢いで世界が変わろうとしています。世にあって、信仰者は絶えず「主を見ること」を求められ、信仰者もまたイエス様を信じることが一番重要であると知っています。今「俗悪な者」が支配を目論む世界に生かされている者にとっても、励ましの言葉として響きます。
 24節「新しい契約の仲介者イエス、そして、アベルの血よりも立派に語る注がれた血です。」イエス様がカルバリ山で流された血潮は、恵みの座にまで流れ注がれています。聖所の隔ての幕が裂かれ、誰でも神様に近づくことが許されたからです。イエス様は言われました。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」こうしてイエス様は全ての者を招いてくださいます。私たちも祈ります。私たちの萎えた手と弱くなった膝を伸ばしてださい。どこまでも、自分の足で信仰の道を歩むことができますように。私たちは間違いなくイエス様に近づいていくのです。
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