袋一杯の糧
創世記42章18~25節
主題聖句 「ヨセフは人々に命じて、兄たちの袋に穀物を詰め、支払った銀をめいめいの袋に返し、道中の食糧を与えるように指示し、そのとおり実行された。」 創世記42章25節
司政者となったヨセフには、兄たちの素性はもちろん、話す言葉もすべて分かっています。ヨセフは兄たちと気づきましたが、兄たちは目の前のエジプトの宰相が弟のヨセフだとは誰も気づきませんでした。ヨセフはベニヤミンが故郷カナンに残っていると知ります。知った以上は、最愛の弟との再会、そして、彼と共にエジプトで暮すことがヨセフの唯一の願いとなりました。
ヨセフは兄たちを利用します。ヨセフは正体が悟られないように、通訳を介して兄たちと話します。そして、兄たちの前では司政者として君臨し続けます。
兄たちの話の中には、ヨセフが初めて知ったこともありました。「あの子の血の報いを受けるのだ。」私たちの過ちでヨセフを失ってしまった。それは取り返しのつかない事だ。ルベンが兄弟たちの愚行を「いさめ」切れなかった悔しさ、そして、過去の過ちの痛みから解放されていない兄たちの、嘆きの言葉を聞きました。苦しんでいる、後悔している兄たちをヨセフは見ます。
神様は、兄たちの心にある縺れた過去の過ちの痛みから解放してくだるために、兄たちをヨセフの元へと導かれました。人には癒すことのできない、罪の赦し、罪の痛みから解放するために、神様が働かれました。壊れかけたヤコブの家族の絆を、もう一度しっかりと結び直されるための先駆けとして、異国エジプトでの兄弟の再会を備えられました。
神様はヨセフを用いて、兄たちのために袋を用意させます。袋に詰められた糧、兄たちがその意味を知る時はまだきていません。兄たちは神様の恵みが詰まった袋を持ち帰ります。それは、神様が兄たちの生活にも関わってくださっている証しです。神様の摂理がここに表されています。
私たちも意味の分らない困難に会います。そこにも神様はご自分の御計画のために糧を備えられています。すべての者の生活(袋)に、既に命のパン、イエス様が与えられています。神様はイエス様を十字架につけてまでも、罪人を救われようとされる方です。私たちも神様の摂理の中で生かされています。
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