さあ、目を上げて

創世記13章8~18節

澤田 武師

主題聖句 「さあ、この土地を縦横に歩き回るがよい。わたしはそれをあなたに与えるから。」 創世記13章17節
 ここで、注目したい御言葉は、「さあ、目を上げて」という言葉です。ロトもアブラムも「目を上げて、改めて眺めた。」そこに、選ぶべき道を見ました。
 ロトの目には、「ヨルダン川流域の低地一帯」が、豊かに潤った、住みやすい土地であると映りました。聖書は決して、良き方を選ぶことが間違いであるとは言っていません。聖書は何に近づく選びなのかを注意するように、と示しているのです。
 「ロトの選び」は神様の約束の地「カナン」から離れて行きます。神様の豊かさの中にありながら、そこに住む人々は罪を選びました。その後、神様に滅ぼされたソドムの町にたどり着いたことを記しています。ロトはアブラムから離れて、そして神様からも離れてゆく道を歩み始めました。
 「アブラムの選び」は、「さあ、目を上げて。」神様の御言葉から始まります。アブラムはロトに、自分の後継者としての希望を持っていたでしょう。ロトが去り、アブラムは失意の故にうつむきます。そのアブラムに神様は再び約束を示してくださいました。失意の中で神様に出会う。そう考えると、私たちの失望も、神様の道を選ぶために与えられた時であると言えます。
 神様は「あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。」アブラムは改めて見廻します。そこには「神様が約束された土地」がありました。それは神様が備えられた恵みであり、平安でもある、「見える限りの土地をすべて、永久にあなたとあなたの子孫に与える。」との約束がありました。
 信仰者の「選び」は、「一つの事から、一つを選ぶ」ことです。神様に従うことは、神様のみ旨を信じて、行うことです。それには「神様のみ言葉を選び続け」なければ「従い」続けたことにはならないのです。
 神様は私たちにも、「目を上げて、見渡しなさい」と、問われています。本当に選び取らなければならないものを「選んでいる」でしょうか。それが、神様から示されている道でしょうか。選び取って行きましょう。
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