その証は真実

ヨハネによる福音書21章20~25節

澤田直子師

主題聖句 「これらのことについて証しをし、それを書いたのは、この弟子である。わたしたちは、彼の証しが真実であることを知っている。」 ヨハネによる福音書21章24節
 「イエスの愛しておられた弟子」とは福音書を書いたヨハネ自身のことです。イエス様が愛されなかった弟子などいませんので、これはヨハネの自慢話ではなく、イエス様の愛を自分の心の許す限り受け取って決して手離さない、そう言いたかったのではないかと思います。
 ペトロが「この人はどうなるのでしょう」と聞いたのは、たった今自分がどのような死に方で神の栄光を現わすかを聞いて、ヨハネにも何か大切なことを話されるのか、心にかけてのことだったと思います。しかしイエス様は「あなたに何の関係があるか」と言われました。
 ヨハネがこの問答を書き記したのは、当時、ヨハネはイエス様の再臨まで死なない、という噂があったことを知っていて、正確に、聞いたままに書き残さなければ、と思ったからでしょう。使徒たちは事実の証人であろうとしました。事実は一つしかありませんが、それを受け取る人間は、各々その事実から自分の真実を作り出します。人間の真実は時に間違い、人を裁き、道を誤らせることさえあります。それを知らないでいるのは危険です。
 しかし、誰が、何処で、どんな状況で証ししようと、必ず真実になる証しがあります。それがイエス・キリストです。第二テモテ2:13「わたしたちが誠実でなくても、キリストは常に真実であられる。キリストは御自身を否むことができないからである。」ですから、わたしたちはキリストの一部分しか知らなくても証しできるのです。
 人間の歩む道は、その人だけのオリジナルです。わたしと一緒に歩むのはただ神様のみ、「あなたは、わたしに従いなさい。」と命じられる主は、決して約束を違えることはありません。
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