あなたがたにしたとおり

ヨハネによる福音書13章12~20節

澤田 武師

主題聖句 『わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。』 ヨハネによる福音書13章15節
 「わたしが…したことが分かるか。」と、イエス様は再び弟子たちに問われます。「足を洗う」ことは日常の業です。しかし、身分の上の者が、身分の下の者の「足を洗う」のは、ありえないことです。今、イエス様が新たな関わりを弟子たちと築こうとする時、特別ではない日常の業でさえも、最も大切なことを伝える証しに変わりました。
 イエス様の存在は、「神様のへりくだり」を表しています。神様が私たちのところへ、イエス様として来られました。私たちの救いのために、最も残酷な十字架刑にかかられるために、私たちと同じお姿になって来られました。
 その方こそ、弟子たちの足を洗われたイエス様御自身です。そして、今後どのように生きていかなければならないかを話されました。
 「わたしがあなたがたにしたこと」、それを忘れないように。また「わたしがあなたがたにしたとおり」、あなたがたもしなければならない。愛を実践する者は、幸いな者として歩むのだと言われます。このお言葉は、神様を信じて、神様の僕となった、私たちにも語られています。
 詩編において預言されていたことが、ユダの裏切りによって成就します。神様はすべてを、イエス様の手にゆだねられました。イエス様は、ユダも含む弟子を「わたしが選んだ」と言われます。すべてが神様の御旨の内にあることを弟子たちに伝えておられるのです。
 この後、ユダの裏切りは弟子たちには大きな衝撃となりました。それは自分たちの存在意義が分からなくなってしまうほどです。イエス様のお言葉「わたしの遣わす者を受け入れる人は、わたしを入れ、わたしを受け入れる人は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」人に系図があるように、信仰にも系図があります。信仰の系図は決して途切れません。信仰は「わたしをお遣わしになった方を受け入れる人は、イエス様を受け入れる。イエス様を受け入れる人は、遣わされた人、あなたがたを受け入れる」と、永遠にどこまでも続いていきます。わたしたちへの励ましのお言葉です。
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