一人一人に手を置いて

ルカによる福音書4章38~41節

澤田 武師

主題聖句 『イエスはその一人一人に手を置いていやされた。』 ルカによる福音書4章40節b
「四重の福音」三つ目は「神癒」です。説教の参考にさせていただいた文献では「神癒」とは「私たちの直接的な必要、肉体の病、またさまざまな苦しみ、傷みを主によって癒していただく恵みのことです。」と。また、「癒し」の恵みは、「肉体の病気とう狭い概念でとらえてしまう傾向があり、それがすべてになることさえあります。それは間違いです。」と、記されていました。
(太字引用 東京聖書学校論集「四重の福音」久多良木和夫師)
 神様は天地創造の時に、お言葉をもってこの世界を、秩序を創造されました。聖書では、シモンの姑が苦しめられていた病を、イエス様はお言葉により癒されました。彼女は病から解放され、健康な体へと変えられました。また、「いろいろな病気で苦しむ者」にイエス様は一人一人に手を置いて、癒されます。
 私たち人間は、神様が御自分の姿に似せて創られ、直接、命の息を吹き入れられて人となりました。一連の神癒の業は、神様が健康な体としての秩序を再び創造し、病の癒しを通して創造の奇跡を示してくださったということです。
 病の癒し、それは私たちが最も求めているものではないでしょうか。そのため、人間は努力を重ねて、知恵を絞り、不可能を可能にしてきました。その結果として、神癒の恵みほど意見の分かれる教理はありません。極論として、病の癒しに医学を否定する人、また、神様の業を認めない人もいます。正反対の意見を聞きますが、これは両者とも間違いです。
 私たちの体には免疫力、回復力、治癒力が備わっています。それは健康な体を維持し、また病から身を守ります。さらに、薬や手術といった治療行為は、私たちの弱った体を元へと戻します。
 神癒の恵みは、困難な問題や、病に悩む時に、神様の助けを求めて解決の道をいただくことです。そこに人の知恵としての医療を通して、助けをいただくこともあります。
 私たちの体の弱さ、心の弱さ、そのすべてに神様は癒しの御手を伸ばして、私たちを包んでくださいます。その御手にゆだねた時に、体の痛みから、苦しみからも、解放されます。はっきりと表される神様の御手です。
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