ペンテコステ礼拝 「みなしごにはしない」

ヨハネによる福音書14章15~24節

佐々木良子牧師

 肉体をもっておられたイエス・キリストは、この地上を去り天の父なる神さまの元に昇られました。そのお姿は既に見えませんが、ご自身の代わりに聖霊なる神さまを送ってくださると約束してくださり、実現したのがペンテコステ・聖霊降臨の出来事です。
 主イエスは十字架にお架かかりになる直前、弟子たちに仰せになりました。「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる・・・あなたがたをみなしごにはしておかない。」(15、18節)
 私たちを愛してやまない主イエスの切望です。私たちが神の愛を受け続け、神との交わりの中で生き続けることを切に願っておられます。
 人間は主イエスを断罪し、天国に帰るまで罪を犯し続けるような汚れた者にも拘らず、主イエスの方から私たちが聖霊なる神との交わりの中に生きるようにしてくださいました。聖霊なる神が私たちの内に働いてくださっておりますから、何とか信仰から迷い出ず、永遠の命に至るための道へと導かれ助けられています。教会はその聖霊を受けた者たちの群れで、そこに私たちは招かれ身を置かせて頂いております。
 「わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る」(15,21節)掟を守るとは、私たちから自由を奪い取るような単なる言葉の冷たい戒めではありません。その背後にあるものは、私たちの罪の為に身代わりとなってご自身が十字架にお架かりになるという、十字架の愛に込められたものです。私たちは主イエスが流された尊い血潮によって守られており、このことなしに私たちが生きる道はなかったのです。ですから私たちが掟を守らなければならないというのではなく、私たちは掟によって、生まれながら持っている罪の支配から守られているのです。私たちはこの神の掟を心から感謝し信頼して「主イエスにお従いしたい、主イエスの愛にお応えしたい」と願うならば、「みなしごにはしておかない」と仰せになった主イエスの言葉がどんなに真実であり、有難いかということがわかってきます。
 私たちが天の御国に帰るまで、共にいてくださる聖霊なる神の愛と力を頂きながら歩み続けることができることを心から感謝します。