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マルコによる福音書1章12~15節
「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」(15節)主イエスが宣教活動の際の第一声のお言葉ですが、一生涯、宣べ伝えられたお言葉の要約でもあり、現代の私達にも語られている福音書の中心です。
「神の国=天国」とは、地図に描かれているような地理的な場所を示すものではなく、又、この世の命を全うして死んでから、初めて行く所でもありません。「神の御支配」という意味ですが、神の権力によって人を束縛し、断罪する事ではありません。「神の国は近づいた」とあるように、神と罪人である人間との隔絶された間柄を取り持ち、罪からの救いの為に主イエスが一人一人に限りなく近くにおいでくださり、共に歩んでくさる事を意味します。神の愛の憐れみの中に入れられる事を示します。主イエスのご降誕の時から既に神の国は到来していますが、未だ完成されておらず、私達はその途上を歩んでおり、やがて主イエスとまみえる時に完成されます。
主イエスは神にも関わらず、罪人の一人として洗礼を受けられた後「霊はイエスを荒れ野に送り出された」(12節)と、神は愛する主イエスをいきなり孤独と暗闇の中に投げ出されました。主イエスの歩みは正に十字架という荒れ野に向かって行った人生です。それ故に私達が経験する人生の荒れ野の中にも主イエスは身を置いてくださるから、私達はそこで祈り、神の声を聞き、共にいてくださる事を知る事ができます。荒れ野の中にこそ救いが必ずありますから先ず、「悔い改めて福音を信じなさい」と仰せられます。
悔い改めとは、神に背を向けていた歩みを神の方へ向き直す事です。修行して、まともな善い人間になって向き直すのではなく、見せたくないような罪・汚れを抱えたまま、ありのままの自分を主イエスの前に明け渡し、心からの赦しを願う事です。悔い改めるなら誰でも福音=罪からの勝利の喜ばしいグッドニュースは誰のためでもない、この惨めな私の為、と分かり感謝し感動させて頂けます。裁かれても仕方のない者を救う為に、神である主イエスの方から近づいてくださいました。決定的な特別の神の時が来たから、信じない者ではなく、信じる者となって救われなさい、と今も語り続けておられます。日々配信されるグッドニュースに感謝し感動し続けましよう。