キリストに向かって成長する

エフェソの信徒への手紙4章1~16節

澤田 武師

主題聖句 「むしろ、愛に根ざして真理を語り、あらゆる面で、頭であるキリストに向かって成長していきます」 エフェソの信徒への手紙4章15節
 エフェソの信徒への手紙4章からは、実践的教会論が記されています。パウロはその最初に「あなたがたは神から招かれた者」であるから、招かれた者としてのふさわしい生き方をしなさいと勧めます。
 エフェソの教会が、生まれたばかりの小さい群れであっても、必ず霊的成長をする。弱い組織であっても、やがて組み合わされて堅固なキリストの体なる教会を立て上げてゆく。エフェソの信徒たちにとって、パウロの言葉はなんと力強い励ましでしょうか。
 そのためには「一切高ぶることなく」。高ぶりは傲慢です。傲慢のままでは「招かれた者」には決して成りえません。パウロは、傲慢であったのでは、柔和も寛容も、愛の一致も平和の絆も、得ることはできないと伝えます。傲慢であることと、神様の救いは、相いれないものです。
 信仰が、教会が成長するということは、15節「むしろ、愛に根ざして真理を語り、あらゆる面で、頭であるキリストに向かって成長していきます。」人間の浅い知恵が作り出す教えは有限です。人の都合で変化します。それは風のように、姿なく、通り過ぎていってしまうものです。しかし、一度力を得て嵐に変われば、すべてを吹き飛ばしてしまいます。この風は今も吹いています。
 健全な霊的成長とは、イエス様の愛にしっかりと根を張って、風に引き回されることなく、根から栄養を吸収することです。真理は体に取り込んでからでなければ、語ることはできません。唯一キリストに向かっていくことでしか、得ることはできません。イエス様の十字架は、我がためなりと心に刻むことによって確かなものとなるのです。
 私たちは神様に招かれて礼拝を守ります。十字架に向かって礼拝を守ります。それは一歩イエス様に近づいたことになるのです。私たちは、キリストの愛の豊かさで満たされて、一歩ずつイエス様に向かって成長していくのです。
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