死から命へ移って

ヨハネによる福音書5章19~30節

澤田 武師

主題聖句 「はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。」  24節
 「わたしの父は今もなお働いておられる」、イエス様と父なる神様が等しい者であることをユダヤ人は受け入れません。ヨハネはイエス様の存在を神学的にはっきりと示します。イエス様のお働きは、この世界を創造され、そして今もこの世界のために働いておられる神様と一体です。地に遣わされた「子」としてのイエス様に、父なる神様は全てを示されます。イエス様の奇跡は、父なる神様の再創造の業を、地上で現わしているのです。奇跡は神様の御心が示される出来事であり、それを行うイエス様が、神様と一体であられるという証です。
 24節「わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。」と言われます。イエス様は、罪に苦しむ者の救いのために来られました。それは永遠の命を信じることです。そのためならイエス様はご自身が十字架に架かられても、一人でも多くの者を救いたいと、神様のみ旨に従い続けられました。お言葉が人を生かし、人を裁きます。それは私たちを、イエス様と共に歩む者に変えていきます。聞く耳の有る者は聞きなさい。この時もイエス様はユダヤ人の聞く耳を求めておられます。
 27節「裁きを行う権能を子にお与えになった。子は人の子だからである」と言われます。「善を行った者、悪を行った者」、イエス様が再び来られる再臨の時、すべての者はイエス様によって「裁かれ」ます。イエス様は、人としてこの地上の苦難、悲しみを経験してくださった上で、罪に囚われ、苦しみもだえる民に救いの道を示され、今も全ての者が救われる時を待ち望んでおられます。ホーリネス信仰は「四重の福音」の「再臨」を強く意識しています。最終的な救いが完成する時を、私たちは待ち望みます。ヨハネによる福音書が、神学的な表現を用いるのは、イエス様のお姿を、しっかりと神様として伝えるためです。これは大変重要なことです。イエス様のお言葉、奇跡は何を表しているのか、何を意味しているのかをしっかりと知ることは、イエス様を信じる信仰にブレが起こらないことにつながります。どうぞ自問自答してください。私にとってイエス様はどんなお方なのか。それは、私の信仰の神学を確立することにつながります。
📢音声