あなたの道を行け

ヨハネによる福音書21章20~25節

澤田直子師

ヨハネ21章では、弟子たちは既に復活のイエス様に出会っています。しかし、この先のヴィジョンが明確に与えられたわけではありません。ペトロ、ヨハネなど7人の弟子が漁に出ます。一晩働いても何も獲れなかったその朝、岸に立つ人の『舟の右側に網をおろしなさい』との言葉に従うと、網が上がらないほどの魚が獲れました。これは、かつてペトロがイエス様に従うことを決意した朝と同じ光景です。
 朝食の後の、イエス様の3度の問いと『わたしの羊の世話をしなさい』というお言葉は、ペトロに対する再召命でした。十字架の贖いの真の意味を厳粛な思いで理解するペトロは、ふと、近づいてきたヨハネのことが気になります。この二人は、年齢は離れていましたが、いつもイエス様の一番近くにいて、お互いの信頼感も強かったと思います。空の墓にも一緒に駆けつけました。しかし、イエス様は 『あなたに何の関係があるのか』 と問われます。
 わたしたちは、何と他人の言動が気になることでしょう。現在だけでは足りず、過去にさかのぼり、未来を心配して、「他人を気にする」ことに大きなエネルギーを費やします。自分の事は見えない割に、他人のことは細かいところまで見えるし、見えたら言いたくてたまらない。これは高ぶりを呼ぶ誘惑です。聖書では、高ぶる者は引き下ろされ、へりくだる者は上げられる、という法則があります。イエス様は 『あなたに何の関係があるのか。あなたはわたしに従いなさい。』 簡単に言えば、よそ見をするな、ということだと思います。
 わたしたちそれぞれに、神様は歩むべき道を備えてくださっています。それは、並行して神の元に向かっています。時には近くなり、時には遠ざかり、平坦さも困難さも人それぞれです。その人の道はその人だけのもので、インマヌエルの主の他、誰も一緒に歩くことはできません。(讃美歌第二編165番「さびしい谷の道」参照)
 25節にヨハネが書いていることは、今日も、この先もずっと続いきます。与えられた神の御業をしっかりと見つめつつ歩んでいきましょう。