新しい道を歩む

マタイによる福音書2章1~12節

澤田 武師

主題聖句 「ところが、『ヘロデのところへ帰るな』と夢でお告げがあったので別の道を通って
        自分たちの国へ帰って行った。」   2章12節

 クリスマスとは、神がこの世で私たちと同じ姿となられた出来事です。それはこの世の闇に神の栄光が介入し、「光と闇とが交差した時」とも表せます。
 マタイは、メシア誕生を告げる「占星術の学者が導かれた星の光」と、メシア誕生を知った「ヘロデ王の心の闇」との交差した時を記しています。起こった事実は一つですが、クリスマスを知った者は、それぞれが自分の真実を持ちます。真実によってそれぞれの行動が起こされます。
 「事実」は、それまでは考えられない困難にも立ち向かわせる、勇気と決断を与えます。メシア誕生の事実は、学者たちに過酷な砂漠の旅をしてまでも、ユダヤに行く決断を起こさせました。彼らには「メシアを拝みたい」との「真理」が与えられ、真理に生きる者と変えられました。
 神の計画は、ユダヤでは禁じられていた占星術でさえもキリストを示す道具として、示された者を神に大胆に近づく者として変えてしまいます。
 ヘロデ王にはメシア誕生の事実から「不安」が与えられました。彼は不安から聖書を調べさせます。聖書の預言は、不安が現実になったと確信させました。不安はエルサレムをも覆いました。神の光を拒む者の闇があります。
 私たちが礼拝、諸集会へ集うことは、万事を整えて臨むことです。聖書が語る神の真理を第一にすることです。日常生活を優先しては守ることが出来ません。神を求め従う者は、神を大胆に選び取ることができるのです。この世の砂漠を越えて、主の元へと招かれる。困難は人を、その場に留まらせようとしますが、真理が困難を乗り越えさせます。
 聖書では、クリスマスに招かれた者は、大胆に神の導きに従い、事実を伝え、それぞれ自分の生活に戻って行ったと記されています。
 私たちは祈ります。御心に大胆に近づく者として確信と勇気を与えてください。私たちの唇を真理の言葉を語るものに変えてください。罪の中に再び戻ることのない、新しい歩みを私たちに与えてください。