主の言葉はその地方全体に

使徒言行録13章44~52節

佐々木良子師

 誕生間もない初代教会とその後約250年は、過酷な迫害の連続でした。しかし、主イエスに忠実な信仰者たちが命を賭けて信仰を守り、教会を守り、ついに勝利し、世界中に福音が宣べ伝えられました。私たちの教会が属するホーリネスの群もかつては国家から弾圧を受けましたが、決して屈しなかった信仰の先達者の命の下に、今の教会が存在しています。
 さて、キプロス宣教を終えたパウロとバルナバは、アンテオキアへと北上してきました。そこでも多くの人々がパウロの語るイエス・キリストの福音に熱心に耳を傾けることにより、ユダヤ人の指導者たちは「ひどくねたみ」(44~45節)人々を扇動してパウロたちを町から追い出したのです(50節)。「実はこの男は疫病のような人間で、世界中のユダヤ人の間に騒動を引き起こしているもの」(24:5)と、その妬みは強烈なものでした。
 迫害され、アンテオキアでの宣教は中断せざるを得なくなり、パウロたちの敗北のように見えますが、そこにも神の知恵とご計画があったのです。これらの迫害によって、パウロたちの宣教は益々グローバルなものへと拡散することとなりました。
 「・・・わたしはあなたを国々の光とし、わたしの救いを地の果てまで、もたらす者とする。」(イザヤ49:6)と預言されている如く。神の働きは人の企てなどによって阻まれることは決してないのです。先に救われる筈のユダヤ人たちは、自らの頑なさのために救いのチャンスを逃しましたが、これも神のご計画の内にユダヤ人に妬みをおこさせるためでした(ローマ11:11~12節)。
 「この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし神の言葉はつながれていません。」(Ⅱテモテ2:9)教会の歴史は様々な迫害や挫折、多くの誹謗中傷という暗闇の中を通ってきました。しかしそこにこそ、復活の主の勝利の光が照らし続けられています。
 パウロたちは苦難の伝道旅行の出来事の中で、神の恵みの確かさを一歩一歩知ることとなりました。先ずパウロたちがこれを体験したのです。どんなに暗闇の中であっても、行き詰まりと思えても、神の光が消えることは決してありません。これが私たちに向けられた神の愛です。このことを苦難の中で体験できる信仰者は幸いです。