3月7日 礼拝説教概要

「最後の晩餐」 ルカによる福音書22章14~23節
 最後の晩餐は3つの要素が含まれています。
1、弟子達が最後の晩餐を主イエスと共にする事(14~18)。
2、間近な主イエスの死を示しそれを象徴するパン(主の御身体)と葡萄酒(主の血)を主イエスが弟子達に授ける事(19.20節)。
 旧約時代、罪の赦しの印として動物の血が流されましたが、新しい契約は神の子イエス・キリストが十字架の上で御自身の肉が裂かれ血を流されました(エレミヤ31:31~34)。それは全人類が罪から解放されて、神の真の約束である、神の国=天国に導かれるという、死の滅びから救いの新たな命に通じる道への招きです。
3、主イエスが弟子のユダの裏切り行為について語る事。
 いよいよ十字架に架かられる時、その愛は頂点に達しましたが弟子のユダは不信と裏切りに到達しました(21~22節)。「ユダの心にサタンが入った」(22:3)と、彼は最後までサタン=神に敵対する悪に捕えられて生涯を終えました。自分の考えに固執し誤解と不満を持ち主イエスの心を学ぼうとしない時に、サタンに支配され罪を犯します。主イエスは全てをご存知でこの晩餐の時にユダに最後の機会を与え、信仰に立ち帰る事によってサタンに打ち勝つ可能性のある事を教えたかったのです。
 主イエスを裏切る(21,22節)は渡すと同じ語源で、「使徒たちに与えて言われた『取って食べなさい。これは私の体です』」(19節)の与えてと同じ語源です。主イエスは御自身の体を物のように裂いてお与えになりました。全ての罪人が救われる為に最後まで私達を愛し抜かれて、御自身の尊い御身体を血を流して切り刻んで、キリストの命を惜しむ事なく与えてくださいました。その事により私達の不真実を主イエスの真実が覆い尽くされて救われている私達です。その尊い犠牲に対してどれ程の感謝をお献げしているでしょうか。救われた初めの愛に立ち帰り、頂いた命を喜びと感謝をもって毎回の聖餐式に臨みたいものです。