7月26日 礼拝説教概要

「進み行くノアの箱舟」 創世記7章1~24節 
 人は神によって極めて良く創造されましたが、神の愛に応答せず罪により地上に悪がはびこり、神は悪を審かざるを得ず洪水によって正しいノアとその家族、一対の動物以外全てを一掃されました。神は正しい方である故に悪を見て見ぬ振りはできません。愛なる神であると同時に罪は罪として審かれる神でもあります。洪水を決意されるには「正しさ」と「愛」の格闘であったでしょう。「死の恵み」という言葉があります。ノアの洪水も神の審きによって滅ぼされましたが、同時に神によって創造の全くやり直しで新しい人類の歴史が始まりました。
「洪水」は破壊と破滅をもたらすもので、人間の危機を象徴していますが混乱・混沌の中、ノアの箱舟は浮かんでいます。箱舟はそれらを避けたり守ったりするのではなく、試練の中、嵐の只中を貫いて行きます。水は次第に増して箱舟は押し上げられたように(17~20節)、試練を潜り抜けて高められる道が信仰です。人は多くの試練の中を潜って、高く押し上げられて変えられていきます。洪水の背後におられる神をひたすら信じる事ができる故に、洪水の中弱り果てる事はありません。そこにある神の支えと救いの深さを知っていますから、やがて水が引く事の確かさをそこで感謝できるのです。人は自然に成長するものではありません。洪水は私達を滅ぼすものではなく、育てられ高められるものです。
ノアの箱舟の戸は神が閉ざしてくださったので、大水は決して入ってきませんでした。そのように私達の今までの罪や恥を神の方でシャットアウトしてくださり赦し、試練の中でも私達は神と共に進んで行く事ができます「咎を除き、罪を赦される神がいつまでも怒りを保たれることはない」(ミカ7:18~19)自分の廻りにある洪水を恐れず、神が用意してくださった箱舟の中で生かされている事に感謝し、神が用意してくださった可能性を探って参りたいものです。